Alamaailman Vasarat

アラマーイルマン・ヴァサラットをカテゴライズするのは本当に難しい。「エスニック・ブラス・パンク」と言った表現を見ることも あれば、「ラジカル・トラッド」と呼ぶ人もいる。ライヴはかなり「ヘヴィ・メタル」に近い瞬間もあるし「ジャズ」に聴こえる時もある。または「初期のクリムゾン」や「マグマ」に 似ているという人もいる。ヨーロッパの有名なフェスティバル、ロスキルデは彼らの音楽を説 明して「フランク・ザッパとマイク・パットンが一緒にレコーディングをするためにセルビアへ飛んだとしたら、こんな音楽になるだ ろう」と評している。ホーン・セクションにチェロ2台、ドラム、キーボードという不思 議な編成で、まったく新しい世界を構築。抱腹絶倒のライヴは、「現在ヨーロッパでもっともユニークなバンド」と言えるだろう。彼ら自身は自分たちの音楽を「ヴァサラシア〜ヴァサラット郷」という国で生まれた「架空世界のワールドミュージック」と無理矢理ジャンル付けしている。

97年、北欧フィンランドの首都ヘルシンキで、それまでプログレバ ンドでベースを担当していたスタクラが突如ソプラノ・サックスと 恋に落ちたことから、このバンドが生まれる。この時点でサックス の演奏経験はまったくなかったスタクラだが、衝動的に楽器を購入し、バンド仲間を集め、この美しい楽器を最大限に生かしアコースティックでありながらロックの爆発力のある音楽を追求していこうと決意。ここにアラマーイルマン・ヴァサラット(地下社会のハン マー)が誕生した。

リハーサルを重ねつつ信頼できるメンバーが徐々に集まってき た。99年ごろからライヴ活動を本格的にスタートさせ、ライヴの数こそ多くはないものの、その圧倒的な演奏力とエンタテイメ ントあふれるステージでヴァサラットはすぐにヘルシンキの人気者となった。

2000年にデビューアルバム「ヴァサラシア〜ヴァサラット郷」をリリース。このアルバムはヨーロッパのワールドミュージックのチャートのTOP20にチャートインし好評を得る(最高位7位)。2003年にセカンドアルバム、2005年にはヴォーカリストとの共演で「Kinaporin Kalifaatti」をリリース。サードはフィンランド作曲家著作権協会賞を受賞。2007年、バンドはふたたびインストルメンタルに戻り4枚目の作品「Maahan」を発表。そして 2009年「フーロ・コルッコ」で、さらなる新境地を開拓。またその年の後半に発売したDVDは、マイケル・ジャクソンやセリーヌ・ディオン、多くのポップアーティストやハリウッドムーヴィー を押さえて、フィンランドのナショナルチャート(DVD)で1位を獲得。今や彼らはヘルシンキで最も人気のあるバンドに成長した!

バンド活動は映画音楽やアニメーション映画のサントラなど多岐に及び、劇場などでも音楽が使われることも多い。海外をツアーするようになると多くの名門フェスティバルから次々とカファーが殺到する。ポルトガルの「Festival Musicas Do Mundo」(伝統音楽系)、オランダのStranger than Paranoia (ジャズ系)、ドイツのTFF Rudolstadt(フォーク系)、アメリカのNear Fest(プログレ系)、Womex(ワールド系)、デンマー クのロスキルデ(ロック系)などにも参加している。

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