Värttinä

誰もが認めるフィンランドのスーパー・バンド、ヴァルティナ。北欧伝統音楽界の中で最も高い知名度を誇る。結成28年目を迎え、ますます絶好調。フロントでがなりたてるように歌う3人の女性ヴォーカルを筆頭 に、フィドルやアコーディオンなど伝統音楽をベースにしながら も、その姿勢は常に新しい地平をめざす。楽しくエンタテイメント性あふれるステージは一度観たら忘れることができない。過去3度来日しており、今回の来日はなんと11年ぶり。

ヴァルティナは、83年、フィンランド東部のカレリア地方の女性ヴォーカルの文化と、ルノと呼ばれるフィンランド語の古代詩 (叙事詩「カレワラ」に代表される)などをベースにした伝統音楽のグループとして結成された。中心メンバーはまだティーン・エイジャーだったマリ&サリというカーシネン姉妹とその母親。当初はまったくの趣味のバンドとして結成されたが、すぐに彼の地の伝統文化を受け継ぐものとしてバンドの歴史はスタートする。結成当時はフィンランドの伝統楽器(琴のような形をしている)カンテレだけがバックミュージックだったようだが、すぐにバンドは大所帯となり、一時は15人〜20人のシンガーを配していたという。最初のアルバムは87年にリリースされ、フィンランド国内で数々の賞を受賞する。89年になると中心メンバーが、設立されたばかりのシベリウス・アカデミーの伝統音楽学科に入学したことから、バンドはさらにプロフェッショナルな音楽活動へとシフトしていく。この段階で3〜4人の女性フロントシンガー+男性のアコースティックバンドという現在の形が定着するようになる。

90年代に入ると世界中の多くの国をツアーするようになり、96年にはメジャーレーベルであるワーナーがバンドと契約。6枚目のアルバムである「コッコ」で一躍、その名前は世界に知られるようになり、この時期に日本にも初来日している。98年にはチーフタンズのパディ・モローニが設立したウィックローレコード(BMG)と契約。アメリカでアルバムを制作。一方のライブ活動はコンスタントに続けられ、数多くの名門フェスティバルのヘッドライナーをつとめるなど、伝統音楽界で北欧=ヴァルティナという認識が定着するようになる。

ライヴアルバムのリリース等を経て、2002年の「イキ」はインディペンデントなリリースながら、アメリカ、ヨーロッパ、日本でライセンス契約を受け好評を得る。(日本ではTHE MUSIC PLANTがリリース)2006年、再びメジャーに戻ってReal Worldより現在のところ最新のスタジオ盤である「Miero」を発表。ヨーロッパのワールドミュージックチャートの5位を記録。
最近の活躍としては2007年「ロード・オブ・ザ・リング」のロンドンでのシアター公演の音楽をつとめ話題となった。バンド結成25周年のベスト盤やDVDをリリースし、フィンランド国内で大規模ツアーを行い、その様子はテレビでも放送された。昨年まで中心メンバーの産休でしばらく活動をスローダウンしていたが、現在 ヴァルティナは7人バンドとなり、新作に向けて活動を再開している。

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